にこ「きっと青春が聞こえる」
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593: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2017/05/22(月) 16:37:17.81 ID:/PVFQV9zO

「さっきも言った通り。この世界には、ひびが入り始めた」

「少しずつ、あなたが目覚める準備が整い始めた」

「だからこそ私はこうしてあなたに真実を教えたの」

「あなたが真実を受け入れる準備が、整い始めたから」

「だけどね、それはあくまで準備でしかないの」

「あなたが自分に嘘をつき続ける限り、準備は準備のまま」

「雛が孵ることはない」

にこ「……わたし、どうしたら……」

 戸惑う私の、その胸に。

 彼女は――もうひとりの「私」は、優しく指を突いた。

       ハコ
「ここにある匣。その蓋を開けなさい」

「その中にある現実に、目を向けなさい」

「あなたがアイドルを目指している。それは本当」

「だけど。それだけじゃ、ないでしょう?」

「それを――認めなさい」

 それだけを言い残して、「私」は蜃気楼のように揺らめいて、消えた。



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