489: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/12/12(月) 20:10:57.98 ID:z6qsGP5qo
希「スマイルはゼロ円ってよく言ったもんやね。むりくり提供される笑顔が無価値だって、にこっちに思い知らされたわ」
希の言葉になるほどと思う。
彼女の笑顔には、ただ口角を吊り上げ目を細められた彼女の笑みには、まるで価値が見いだせなかった。
ほかの五人との決定的な違い。
彼女は、笑顔になっているだけであり。
笑っているわけでは、ない。
絵里「そもそも……八つの光って、いったい何なのかしら」
希「っ」
絵里「別に希の占いをどうこう言うつもりは全くないのだけれど、だけど異様よ、あの八人は」
そこに自分も含まれているというのは、なんだかおかしな話だけれど。
でも、アイドルグループを結成するには、あまりにも向いている方向がばらばらな八人。
それがなんとか形にはなってきたけれど……あくまで結果論。
絵里「矢澤さんが集めようとしていたのは、あの八人なわけよね?」
絵里「私たちは希の占いであの八人なんだってわかったけれど、矢澤さんにはなにか意味のある八人だった?」
絵里「けれど、どこかに共通点のある集まりというわけでもないし……」
希「……ね、絵里ち」
絵里「ん?」
気づけばだんまりになっていた希が、言いにくそうに口を開く。
それはまるで、いたずらを告白する子供のような。
希「あんな? 実はその占いのことで、絵里ちにまだ言ってないことがあって」
絵里「言ってないこと?」
希「うん。実はな、にこっちのことなんやけど、その八人に――」
コンコン
だけれど、希の告白は。
花陽「――失礼します」
突然の来訪者に遮られた。
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