370: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:21:34.91 ID:9Ps6NfVqo
かすかな足音、ページを捲る音、筆記用具の摩擦音。
本を探す人の声、答える職員の声。
空調の静かな唸り。
アロエには、いつもと変わらない光景にしか見えない。
いつも通りの図書館だ。
ただなんとなく、いつもより空気が落ち着かない。
少なくともアロエにはそう感じられた。
アロエ「……ふうん」
静かに息を吐き出し、アロエは腰に手を当てた。
目の前の書架に、ぽっかりと不自然な空白がある。
ひと抱えほど、蔵書が持ち出されている。
周囲の書架から見るに、図鑑らしい。
誰だか知らないが、アロエと同じような調べ物をしていた人物がいたようだ。
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