文才ないけど小説かく 7
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35:(お題:共鳴)1/4[sage]
2016/02/12(金) 16:21:33.01 ID:5lHfbfrno

 俺の中には長いことしこりのような一つの感情が居座り続けてきた。

『幼馴染にはかなわない』

 アイツは女の身でありながらほぼ全てのスペックで俺を遙かに凌駕し続けていたのだ。
 運動も勉強も、何か一つだって勝てたためしがなかった。
 俺としては一緒にいればそれだけ劣等感が募っていくばかりだったから、

『いつまでも仲良く一緒になんていたくない、何かの縁でそのまま関係を切れればいいのに』

 なんて結構本気で考えていたのだ。そのはずだったのだ。
 なのに、現実は違う。
 すべての面で俺よりも凄かった幼馴染はもういない、いなくなった。

「なぁに、タツ。毎日毎日飽きずに見舞いに来てくれちゃって。青春が勿体ないよ?」
「統理は一人でいるといつまでもウジウジしてるからな、気を紛らわせてやろうっていう俺の配慮だよ」
「ふぅん、まぁわざわざありがとうね」
「おう、感謝しろよな」

 代わりにいるのは勉強は出来るし、運動神経もとても良い隻眼の幼馴染だ。
 それは事故だったらしい。
 夜の弓道場で備品の確認作業をしていた統理に一本の矢が飛んできて、運悪く目に突き刺さったのだそうだ。
 弓を射てしまったのは部内の三年生で腕前は五指からは少し漏れる程度だったらしい。



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