文才ないけど小説かく 7
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227:夏が訪れる(お題:ななし,ラムネ) 7/8[sage saga]
2016/07/03(日) 23:25:32.43 ID:/c5Rqj1io

「明日帰るわ」

「……そう残念ね」

どこか消え入りそうな顔でそう呟いた。さっきまで楽しそうに微笑んでいたのに。
締め付けるような痛みは、心の奥底から俺に言葉を吐かせる。

「……来年。来年また来るから!」

「……私はいないかもしれないわよ?」

「そんなことは……ないだろ」

「……うん。いるわ。だってこの場所が好きだもの」

ずきり、ずきりと胸を締め付ける。それほどまでに彼女への思いが大きくなっていたのか?
俺にはわからない。

「それじゃ……またね」

その瞬間、酷く心臓が跳ねた。
そして強いノスタルジーが心を占める。
そして思い出す。セピア色に変わった思い出の断片を。
神社の前で、二人で、なんでも分け合って、そして約束をした。
気付いた時には彼女はいなかった。
残り僅かなラムネを飲み干す。
カラン―――
今は一人になった神社の境内に音が響いた。



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