66: ◆8hR4QzB4Ro[ saga]
2016/03/17(木) 02:48:06.69 ID:Y1+QE2tL0
チル「油断せず、慢心せず、傲らず、舐めてかからず、気を抜かず、持てる力でかかって来てください」
右手を挙げて桜色の炎を灯らせて啖呵を切った
さやか「……待って、あれは」
そして同時に魔女の結界が二人を飲み込む
チル「私はあなた達を許さないと言いました!加減はしません!」
『砂漠の魔女(ティータ)』の世界が広がって形を持つ
一面に信じられないほどの高さの木々で作られた樹海
そして足元に広がる命を感じさせない熱砂の砂漠
木の葉で覆われている筈なのに直接太陽に照り付けられているような暑さ
『渇望』の性質を持ったティータの結界は、小人となって紛れた深い渇きの森
さやか「話を聞い——がっ!!?」
チル「あなた達は二人の話を聞きましたか!?全力で抗う以外にすべき事はありません!!」
投げつけられた炎が爆発し、さやかを吹き飛ばして大木に背中から叩き付ける
チル「戦う相手への敬意が無いあなた達なんかに!道を外れた者に救いも慈悲も有りませんからね!!」
さやか「……う、く……っ」
さやか(ソウルジェムが反応しない……指輪が、光らない……)
自分の体の魔力を、指輪に集めて開放する……あの感覚をうまく呼び出せない
もちろん痛みも消せないし、けがの治療も出来ない
頭部と肩から血を流してぐったりとするさやかに、多少の疑問を抱きながらゆっくりと歩み寄る
チル(抵抗をしない……どうして?)
チル「何もしないならそれでも結構です!誰も貴方を助けはしませんからね!」
右手に桜色の炎を宿して振りかぶった、その瞬間だった
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