勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
↓ 1- 覧 板 20
703: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 20:05:28.38 ID:uAQKxthS0
戦士がそんな風に考えていた時だった。
『×××、××××××』
耳慣れないが、それでも人間の言語であることは明白な声が聞こえた。
戦士は両手で秘所を隠し、咄嗟に体を川の水の中に沈める。
『△△△? 〇〇〇〇〇』
『”’&%$#$’&%|=`{*?><!!!”#$???』
『faygfiugiuhvnaurygoahviuaga?jdfgyrwyaiyegyaugwe?』
謎の声は連続した。
戦士とて悠久の時を生きてきた中で、それなりに多くの言語を体得している。
それでも、声が次々に異なる言語に切り替わっていることを掴むのが精一杯で、言葉の意味まではわからなかった。
戦士「何者だ?」
周囲の気配を探りながら、戦士は問う。
これだけはっきりと声が聞こえながら、周囲に人、あるいはそれに類するものの存在を一切感じることが出来ないのが不可解だった。
『――――何者だ。おはようございます。ありがとう。こんにちは』
再び声が聞こえた。
今度はわかった。意味の分かる言葉を聞き取れた。
しかし文脈が意味不明だ。
戦士は首をひねった。
戦士「何だ? 何を言っている。訳がわからんぞ」
『――――あぁ、そうだった。この言語だったな。ようやく行き当たった』
声はようやく明瞭な響きをもって戦士に応えた。
『何者か、と君は私に問うたな。さて、私は果たして何者であったか。君たちは、私をなんと呼んでいたのだったか』
『私の中に累積する記録に劣化はない。しかし何しろ量が膨大だ。検索するにも時間がかかる――――あぁ、そうだ。見つけたぞ。私は、そう』
758Res/394.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20