勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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336:名無しNIPPER[saga]
2016/08/06(土) 16:39:44.87 ID:AsT68X2i0
ギイイィィィ――――――と殊更に音を響かせて、大魔王の間の扉が開かれた。
勇者と戦士は音に反応し、反射的に振り返った。
そして、目を丸くした。
次いで、言葉を無くした。
大魔王の間に入室してきた男の姿を見て、勇者と戦士はただただ固まってしまっていた。
「そこまでだ、勇者」
男は、とても聞き覚えのある声で勇者達にそう言った。
聞き覚えがあるのは当然で、それはほんのちょっと前に聞いたばかりの声だったからだ。
具体的には、魔界に在った試験都市フィルストで。
この大魔王城を目指す直前に、聞いている。
だけどその姿は見慣れぬものになっていた。
白銀に輝く鎧に身を包み、そしてその手には鮮烈な輝きを放つ白金の剣を持っている。
神々しささえ伴う、その姿。
まるで『伝説に語り継がれる勇者のような、その姿』。
否、違う。
この男が、この男こそが―――――――
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