勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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274:名無しNIPPER[sage saga]
2016/06/26(日) 19:22:46.04 ID:Trw4ei5x0
パチパチパチ――――
聞こえてきた拍手の音に、勇者は伏せていた顔を上げる。
途端に、怒号のような拍手喝采が勇者に向かって贈られた。
勇者「な、は、へ…?」
目をぱちくりとして勇者は周囲を見渡す。
夥しい程の人数の群衆が、いつの間にか勇者を取り囲んでいた。
人々は笑顔を浮かべ、盛大に両手を打ち鳴らし、温かな賞賛の声を勇者に贈っている。
勇者「……へ、へへ。ど、どうもどうも…!」
勇者は顔を赤らめ、照れ笑いを浮かべながら手を上げて周囲の群衆に応える。
勇者が手を上げると、それに合わせて歓声が上がった。
嬉しいと、そう思った。
ようやく自分自身に価値を認められた気がして、頬が緩んだ。
歓声がまた上がった。
『流石『伝説の勇者』様の息子だ!!』
ぴくり、と勇者の肩が震えた。
『『伝説の勇者』様の息子、万歳!!』
わなわなと、肩に震えが強くなる。
『いやしかし、大したものだ。勇者様は紛れもなく英雄だ。世界の救世主と言っても過言ではない』
『そんな勇者様を生み出した『伝説の勇者』様とは、一体どれほど素晴らしいお方なのだろう!!』
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