83:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/14(木) 23:21:53.22 ID:e5rLf//zo
「なあ」
「うん」
「おまえ、昨日は何で夜自分の部屋に閉じこもってたの? いつもなら下のリビングで俺
と一緒に過ごすのに」
「何でもないよ」
「何でもないって・・・・おまえさあ」
「だから、本当に何でもないって。課題がいっぱい出てたからそれに集中してただけ」
「そうか」
「そうだよ」
麻衣は俺の目を、見ないでそう言った。
「ねえ」
「ああ」
「もうすぐ隣の駅に着くけど」
「うん」
「今朝も、お姉ちゃんたちと顔会わせないでどっかに逃げちゃうの?」
「逃げるって何だよ、逃げるって」
「だって」
「別に逃げてなんかねえし。つうか今朝は夕也に少し話があるからここにいるよ」
「話か。そうだよね」
「何だよ」
「何でもない」
とりあえず夕也と話さないと、もう何も決められないことは確かだった。
「あれ?」
「どうした」
「うん。お姉ちゃん一人みたい」
確かに、いつもなら有也と一緒に電車に乗ってくるはずの有希が一人で駅のホームで電
車を待っている。
「ホームには夕さんいないね。今日は一緒じゃないのかな」
電車のドアが開くと、有希が人ごみに紛れて車内に入ってきた。
「おはよ」
「おはよお姉ちゃん」
「おはよう麻人」
有希が俺に声をかけた。
「うん」
「うんって何よ? ちゃんと挨拶しなよ」
麻衣が言った。
本当に夕也はどうしたんだろう。
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