女神
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449:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 23:23:13.41 ID:Ww3oqi+ko

「クラスのやつらに冷やかされたよ」

「あたしも」

 仲良く一緒に屋上に向かえば無理もない。

「飯食いながらじゃないと、時間的に厳しいな」

「うん」

 優が可愛らしい巾着袋からお弁当箱を取り出した。蓋を開いたのでのぞいてみると、す
ごくおいしそうだった。彩りもきれいだ。

「いいなあ、弁当」

 購買で買ったパンのビニール袋を開きながら、俺は優に言った。

「おまえのかーちゃん、料理上手なのな」

「これは自分で作ったの。毎日、自分で作ってるんだよ」

「すげえ」

「慣れちゃえばたいしたことないよ。だいたい前の日の夜に用意しておくからね」

 意外と、家庭的な女なのか。成績も悪くないし、こうして話しているとコミュ障でもな
い。

「食べながら話すね」

「おう」

 それは結構痛々しい話だった。何よりもその話の中に、唯が登場したことが俺を驚かせ
た。

「それって本当かな」

 唯を疑うのは嫌だったけど、今の話からすると、証拠も何もない話で、唯一、唯の説明
だけで成り立っている筋書きなのだ。そして、唯は生徒会長のことが好きだった。

「なあ」

「なあに」

「おまえさ。唯が会長のこと好きだったって知ってるんだろ」

「唯って・・・・・・ああ、浅井さん。うん、知ってるよ。でも、彼は断ったし」

「そこまで知ってて、なんでわかんねえんだよ」

 唯のことは大切だが、間違ったことは正すべきだ。

「どういうこと?」

 不思議そうに優は箸を止め、首をかしげた。


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