24:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 00:25:15.60 ID:rzAsx3KDo
「麻衣?」
「・・・・・・お兄ちゃんって、あたしのことうざいと思う?」
麻衣はようやく返事をしてくれたけど、どうも話の方向が違う。
「何言ってるんだよ。そうじゃねえよ」
「お兄ちゃんが迷惑ならもうお兄ちゃんにはまとわりつかないよ」
「そんなこと一言も言ってねえだろ。俺はおまえが面倒見てくれて助かってるし嬉しい
し」
「・・・・・・でも、内心ではベタネタくっついてくるあたしのことうざい妹とか思ってるんで
しょ」
「だからそうじゃねえって。おまえだってお年頃だし友だちとか彼氏とかと遊びたいんじ
ゃねえかって」
「・・・・・・彼氏なんていないもん」
「あのさ」
「別に彼氏なんて欲しくないし・・・・・・」
「いや。でもおまえの年頃なら」
「お兄ちゃんと一緒にいられればそれでいいのに」
「え?」
「お兄ちゃん・・・・・・何でそんなに意地悪なこと言うの」
「・・・・・・ええと」
再び麻衣が沈黙した。こんな話になってしまうとは。完全に失敗だった。それでも、俺
が妹のことを気にしていることもまた確かだ。だから俺は言った。
「おまえビーフシチューとか作れる?」
妹は沈黙して俯いたままだ。
「何か今日はそういう気分なんだけど」
「・・・・・・作れる」
「じゃあ頼むわ」
俺は麻衣の手を握って言った。゙
「あ・・・・・うん」
麻衣が俺の手を握り返した。
手を握ったら機嫌が直ったみたいだけど、こいつは本当に・・・・・・本気でブラコンなのだ
ろうか。とりあえず麻衣の機嫌は直ったみたいだけど。これじゃ本当に近親相姦目前みた
いな状況じゃないか。これでは夕也にからかわれるのも無理はないのかもしれない。
「お兄ちゃん。この牛肉、日本産なのに安いよ」
機嫌を直した様子で麻衣が俺に言った。
「うん」
「・・・・・・二人分だからこのパックだとちょっと少ないかな」
妹に答えようとしたとき、俺は同級生の二見の姿を見かけた。スーパーなんかで何をし
ているのだろう。あいつは普段から生活感を感じないし、スーパーで買い物とか違和感が
ある。
やはり二見はそれなりに可愛いな。俺はそう思った。男ならみんなそういう感想を持つ
だろうけど、別に好きな子じゃなくても女の子のことは気になる。そうやって改めて眺め
た二見は可愛らしかった。あれで変人じゃなきゃもっと男からもてるだろうに。そう考え
た俺は、そのとき二見ともろに目を合わせてしまった。何だかわからないけど気まずい。
俺が彼女を見つめていたことが二見にはわかってしまっただろうか。
「・・・・・・お兄ちゃん、あたしの話聞いてる?」
麻衣が不審そうに言った。
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