女神
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207:名無しNIPPER[saga]
2016/05/01(日) 22:59:06.81 ID:lwUWxol4o

「先輩って変な人ですね」

 再びくすりと笑ってから池山さんが言った。「でも、生徒会長をしてるだけあって本当
にいい人なんですね」

「生徒会長であることはあんまり関係ないけどね」

「あたし、せっかくだから先輩に話を聞いてもらおうかな」

 やっと僕は彼女にここまで言わせることができたのだった。

「池山さん、僕を信じてくれてありがとう」

 僕は穏やかに言った。僕は冷静に話していたようだけど、やはり内心では相当緊張して
いたようだった。そしてその緊張がようやくほぐれ出すのを感じていた。

「何で先輩がお礼を言うの? 何か変なの」

 池山さんは僕をからかうように言った。これではどっちが年上なのかわからない。

「あと、池山さんって言うの止めませんか。後輩なんだからあたしのこと、池山って呼び
捨てしてください」

「君がタメ口で話してくれるならそうしてもいいけど」

 僕はこの時緊張が去って行ったせいで少し調子に乗ってしまったかもしれない。池山
さんに僕のことなんか相手にしてくれなくてもいいと言ったばかりなのに、こんな調子の
いいことまで言ってしまうなんて。

 案の定、彼女は少し警戒したように見えた。でもそれは僕の誤解のようだった。再び彼
女は笑った。

「それでいいよ、先輩。あたしのことも池山・・・・・・っていうか麻衣って呼んでね」

「わかった」

 僕は最高な気分になってもいいはずだったけど、ここまでうまく行き過ぎると逆に不安
な気持ちが湧き上がってくるのを抑えることができなかった。礼儀正しい正統的な美少女
だと思い込んでいた池山さん、いや、麻衣だけど、この反応はどうなのだろう。いきなり
親しげに僕に話しかけるなんて。

 彼女は意外と男と遊びなれた子だったのだろうか。その時僕は少し不安に思った。

 それでもその疑念は、眼の前の美少女から気安く話しかけられたという喜びや優越感に
は勝てなかった。とりあえず今は目の前にいる麻衣ちゃんと仲良くなれたことだけを考え
よう。

「じゃあ、早速だけど麻衣ちゃんの話を聞きたいな」

 僕は彼女に言った。

「ちゃんはいりません」

 彼女が少し機嫌を損ねたように言った。やばい。この子、本当に可愛い。そして、呼び
捨てにしてって僕に微笑む美少女に対して、僕は動揺していた。

「先輩には全部お話しするけど、どこから話せばいいのかなあ」

 麻衣は、ついさっきまでの僕に対する疑念を完全に払拭したような親しげな口調で話し
始めた。そして僕はそのことに密かに興奮していた。僕は最初の難関を突破したのだった。
それも予想していたよりスマートな方法で。

「先輩、とりあえずこれを読んでもらっていい?」

 彼女は自分のスマホのメーラーを開いて、それを読むように僕を促した。それはどこ
からか転載を繰り返されたメールみたいだった。


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