20:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 00:19:05.42 ID:rzAsx3KDo
授業が終ると、夕也が近寄ってきた。
「おまえこれからどうすんの」
「どうって・・・・・・家に帰るだけだけど」
「じゃ、一緒に帰るか」
「おまえいつもは有希と一緒に帰ってるじゃん」
「ああ、そうなんだけさ」
照れる様子も戸惑いもなく、夕也はあっさりとうなづいた。
「今日は一緒に帰らねえの」
「あいつ、今日は生徒会なんだって」
「何だよ、有希が一緒に帰れないから俺を誘ってんのかよ」
「うん、そうなんだけどさ」
こいつ。少しも自分の気持を隠そうという気も、俺に気をつかうつもりもないらしい。
もっとも夕也に気をつかわれても、かえって惨めな気持ちになるだけだったろうけど。
「あいつと二人で帰れるならおまえを誘うわけないじゃん」
「・・・・・・おまえら付き合ってるの?」
俺は思い切って夕也に聞いてみた。有希への関心を全く隠す様子がないので、ひょっと
したらこいつの本音を聞けるかもしれないと思ったのだ。
「いや、まだ」
はい?
「まだってどういう意味だよ」
「そのとおりの意味だよ。で、どうする? たまにはゲーセンとか行かねえ?」
「今日はやめておくわ・・・・・・麻衣が校門の前で待ってるし」
「・・・・・なあ」
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