末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[sage saga]
2020/06/21(日) 22:31:03.01 ID:5S1oSgum0
その夜、商人の自室。
商人「しっかり封をしてと……師匠様の手紙に返信方法が書かれていたっけ」
商人「同封されていた、魔法陣だっけか、これが描かれた紙を広げて……」ガサガサ
商人「真ん中に返事の手紙を置く」カサ
商人「おっと、封筒の裏側……私の署名を魔法陣に触れさせるのだった」クル
商人「で、真上からは覗き込まないようにせよと……少し離れるか」スッ
商人「……」
魔法陣:チカッ
商人「お、光った」
商人「小さなランプ程度のまぶしさだな……しかし見慣れた炎の色ではなく青白く輝いている」
商人「……魔法陣が光と共に手紙を中心部に吸い込んで行く……魔法陣そのものも消えた、ただの白い紙に……」
商人「……」
商人「私は、大概の人が一生かかっても出会わないような体験をしてしまったのでは?」
商人「珍しい体験……」
商人「……今更か」
商人「野獣に出会った時から続く数々の不思議な出来事より、それをあっさり受け入れている自分に驚くよ」
商人「さて、師匠様と菫花君、そして野獣、私の意見をどう捉えてくれるかな」
……
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