末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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647: ◆54DIlPdu2E[saga]
2019/08/20(火) 23:12:38.34 ID:pmyRdLHz0
(野獣(そうだった、当時のお前は、私がいるこの場所をまだ知らなかったものな))

(王子「そんな僕のために料理長さんが作ってくれたのが、林檎のコンポートのカスタード添えで」)

(王子「それを口に運ぶ僕を見守りながら、執事さんと料理長さんは」)

(王子「……僕に、生きてほしいと……それだけが願いだと」)

(野獣「……」)

(王子「そして、君から僕のことを託された、とも伝えてくれた」)

(王子「それで……ようやく僕は、簡単に生きるのをやめるわけには行かないと思えた」)

(王子「そのためにも、ひとまずはこれを食べて元気にならなくちゃって」)

(王子「……僕の生きる気力は、あのコンポートの味を甘くて美味しいと感じることで、湧き上がって来たわけで」

(王子「それから」)

(王子「僕らが昔生きていた時代は、お菓子は贅沢品で、王族や貴族の口にしか入らないものだったけど」)

(王子「師匠と各地の町や村を巡ると、街角の小さなお店で、子供もお小遣いで買えるような焼き菓子を売っていたり」)

(王子「僕らの訪れた農家で、奥さんが果物や木の実の入ったパイを焼いて、振る舞ってくれたり」)

(王子「もちろんその家の人達と一緒に」)
 


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