末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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641: ◆54DIlPdu2E[saga ごめんなさい…]
2019/05/26(日) 22:22:34.69 ID:Vkcul4q20
その夜、野獣の夢の世界。

(王子「それで……馬小屋は本当に素敵で、早くあの可愛い騾馬を迎え入れたくて……」)

(野獣「うんうん、そしてメイドの作った造花も可愛らしかったんだな?」)

(野獣「同じ話を二度繰り返しているぞ」)

(王子「あ……そうだった、あんまり感激したので」)

(王子「それに、庭師君やメイドさんが中を案内しながら楽しそうに説明してくれたので……」)

(野獣「ふふ、お前の気持ちはよくわかる……私も楽しみだ」)

(野獣「ところで、師匠はまだ起きているのか?」)

(王子「うん、手紙を書いてから寝るって、お弟子さんのご子孫に」)

(野獣「魔法で瞬時に手紙を届けて構わない相手だな、帰着の報告か」)

(王子「本当に有意義な旅だった……君に話をしたいこともできたよ」)

(野獣「あの騒動と南の港町の滞在時、旅の途中で会えたではないか」)

(王子「こうして家に帰って来てこそ話したかった!」

(野獣「そこまで張り切って私にしたい話か、なんなんだ?」)

(王子「それは……ええと……どう話せば、いいのか……な」)

(野獣「あのな、まずは話を組み立てて、それから話があると切り出すものではないか?」)

(野獣「お前には不得手なのはよく知って(自覚して)いるが……」)

(王子「えーと……将来、の」)

(野獣「うん?」)



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