末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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595: ◆54DIlPdu2E[saga]
2018/04/28(土) 23:54:51.15 ID:JtVxUVrN0
次姉「私も正直疲れたわ、お父さんに確認して早めに店を閉めましょ」

長兄「ああ、先に上がっていいぞ」

長兄「午後から臨時休業にしていたところを、お客様のために少しの時間でもと開いたんだ」

長兄「通常の閉店時間まで俺一人このままやるよ」

次姉「……それなら私も」

次姉「兄さん一人にして、またさっきみたいにボーッとされても困るもの」

長兄「はは、本当に大丈夫……でもありがとな」

長兄「……」

長兄(本当は疲れてボーッとしていたとは微妙に違うんだよな)

長兄(鍵が開いたと同時に、引き出し自体の重みでほんの僅か……3ミリばかり……自然と、開いた)

長兄(あの重みが手にかかった瞬間、俺はその手で引き出しを押し戻すべきかそのままで維持するべきか)

長兄(それとも重さにまかせて更に引き出すべきか、迷った)

長兄(でも、それは本当の本当に一瞬だけの迷いだった)

長兄(次兄達がすぐに戻ってきたせいではない)

長兄(あの3ミリほどの隙間から……俺が感じた物は……)

長兄(我ながら滑稽だとか陳腐だとか思う)

長兄(……でも確かに感じたんだ、何か、例え難い……物理的な重さとはまた違う……圧迫感……)

長兄(……そして、寒気と恐怖感と……)
 


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