末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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543: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/10/23(月) 22:46:29.38 ID:ocWOCJlZ0
…………

商人の家、末妹の部屋……

商人「ああああ、どうしたんだいったいこの子達は、お医者の先生を呼ぼうか……」アタフタ

長姉「呼びかけても揺さぶってもさっぱり反応無しなんて……」

次姉「でも具合が悪そうな様子はないみたい、二人とも静かに眠っているだけに見えるわ」

長兄「とにかく、机に突っ伏したまま(末妹)、床に転がしたまま(次兄)にもしておけない」

長兄「ベッドに運ぼう、俺は次兄を」ウンショ

次姉「じゃあ私は末妹を」ヨイショ

長姉「次兄も末妹のベッドに寝かせるの?」

長兄「ベッドの大きさは十分余裕あるし、同じ場所にいれば目も届き易いじゃないか」

長兄「それに……『二人同時に』というのは意味があると思う、たぶん」

長兄「俺達の、いや、俺の常識では認めがたい現象が、今回も二人に起きている最中ではないかと……」

次姉「兄さんも頭が柔軟になったのね、私もそんな気がしていたの」

商人「ほ、本当に病気ではないのだろうか?」オロオロ

次姉「病気だとこんな短時間のうちに、家の中で二人同時は不自然でしょう?」

次姉「だいいち呼吸も規則正しいし、顔色もいつも通り」

次姉「それに次兄だけならともかく、末妹も一緒だったら何か悪いもの……毒キノコとか? 口にするのもあり得ないし」

長姉「なるほど、次兄だけなら何かの自業自得の可能性もあるけど、末妹も一緒だものね」

商人「……」ウーム

商人「……よし、お前達の言うとおり、暫くはこのまま見守ろう。もしも容態に変化があればすぐ先生を呼ぶことにして」

次姉「そろそろ夕食の準備に家政婦さんが来る頃ね、彼女にも説明しなくちゃ」

…………



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