末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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522: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/07/03(月) 00:23:42.55 ID:hYpbHSSX0
(王子「僕がどんなに嬉しかったか、幸せか、僕なんかを、貴方に息子と呼んでもらえて……!」)

(師匠「……『僕なんか』だと?」)

(師匠「自分を卑下するな菫花、お前はいい奴だぞ、第一お前の友人達にも失礼ではないか」)

(次兄「そこかなあ、おっさん?」ボソ)

(王子「それでも敢えて言います、僕は駄目な王子、いや、駄目な男です」)

(王子「王子として駄目なのは言うまでもなく、両親の息子としても出来損ない、好きになった女性を幸せにする力もなく」)

(王子「魔法使いとしても禁忌を犯し師匠を裏切り……」)

(野獣「……」)

(王子「それでも、それを承知で、何もかもひっくるめて、僕がこの時代(せかい)で生きる事を許してくれて」)

(王子「僕の『家』を作ってくれて、僕を教え導く『親』となってくれたのは、師匠です」)

(王子「この時代で出会った皆さんと、僕でも繋がりを持って良いと思えるのは、師匠がいてくれるからです」)

(王子「師匠の息子として外に出て、人と出会って、また帰って来れる」)

(王子「それがどんなに心強いか……」ギュウウウウウウ)

(師匠「……もう今のお前には、儂がいなくとも」)

(末妹(菫花さん、もっと簡単な言葉でいいのですよ……))

(王子「なんでもいいから側にいてほしいんです、それでは駄目ですか?」)

(王子「僕は師匠が好きなんです、それでは駄目ですか!?」)

(師匠「菫花」)

(師匠「……………………」)

(野獣「師匠」)

(野獣「我々に向かって『なぜ黙って見ているのだ』なんて顔をして見せても、駄目ですよ?」)
 


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