末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2015/12/19(土) 23:37:36.83 ID:OYvgmtg50
(野獣「そのドレスだが……実は、お前が今より成長しても着られるようになっているのだ。気付いていたか?」)
(末妹「え、これがですか?」)
(野獣「装飾のためにしか見えない折り返しだが、伸ばすことができる。多少の裁縫の技術があれば簡単に直せる」)
(野獣「そうだな、最大で身長150センチの、標準体形までは」)
(末妹「ひゃくごじゅう…………」)
(野獣「ハッ」)
(野獣「い、いや、お前の将来の身長がそこで頭打ちという意味ではないぞ!?」)
(野獣「当初の予定では毎年ドレスを送るつもりだった、成長期なら1年間でどれほど大きくなるかわからんではないか!?」)
(末妹「……私、この先、140センチにもなればいいほうかなって思っていたんです」)
(野獣「……は?」)
(末妹「でも、今のお話を聞いて、150センチまで、今より17センチも大きくなれたらいいなって」)
(末妹「野獣様の仰るように、このドレスの限界まで背が伸びたらいいなって、思ったところ……」クス)
(末妹「でもさすがにそれ以上は伸びないと思いますから、新しいドレスは必要ありませんよ」)
(末妹「だいいち、私にはこれが世界一素敵なドレスですもの、後にも先にも」)
(野獣「毎年新しいドレスというのは、別に体形が変わるからって意味ではないのだが」)
(野獣「お前の姉達も、町のちょっといい家の娘達も、何着でも持っているのではないか?」)
(野獣「……しかし、お前はドレスより宝石より……花一輪が嬉しい娘だったな」)
(末妹「ええ、ですから……またお花の季節にここへ必ず来ます」)
(末妹「前庭で、バラ園で、生まれた場所で瑞々しく咲き誇るお花を、メイドちゃん達や…野獣様と…一緒に見たいのです」)
(野獣「……楽しみにしているぞ。庭師にも、今まで以上に頑張って仕事をしてもらわんとな」)
(〜♪〜♪〜)
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