末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
1- 20
394: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/11/13(日) 22:45:25.06 ID:sFEOF2nO0
王子「……城は跡形もありませんが、庭園の一部はそのまま公園の花壇として活かされているのですね」

師匠「ああ、今の時季さすがに咲いている花はないが」

王子「二人とも、城の彩りとして代々受け継いだ庭園の花を育てさせてはいましたが」

王子「花そのものはあまり好きではなかったから、自分達の身近には置かなかった」

師匠「王はともかく王妃も、というのは珍しいかな、女とは花を好むものではないかと」

王子「茶色く枯れたり、花粉や葉を落としたり、虫を呼んだり」

王子「花も生きていますから、当たり前なのに」

王子「……実用以外の動物を好まなかったのと同じ理由ですよ」

王子「なので、当時のものとは銘柄が違いますが……花の代わりにワインを」コト

師匠(そこそこの高級品、我々が立ち去れば速攻盗まれそうだな)

親子連れ:キャーキャー コラ、ハシッタラアブナイヨー ハハハ…

王子「……」

王子「血を分けた我が子であろうと、出来が悪かった故に愛さなかった」

師匠「菫花」

王子「二人に安らかに眠りに就いてほしいと、肖像画の部屋で話したのは嘘ではありません、今もその想いは持っています」

王子「それでも、知りたいという想いも拭えない……」

師匠「何を、知りたいのだ?」

王子「……僕が生まれる前の両親、二人はどんな人達だったのでしょう」

王子「師匠は、ご存じ……なのですよね……?」

師匠「……顔色がいつにも増して青白いぞ、大丈夫か?」

王子「平気です、少しばかり寒いだけです!!」

師匠「強がりおって」ゴソゴソ「儂のマフラーも巻いとけ」ポイ

師匠「耳を塞がず喋れるようにもしておけば、顔も隠して構わん……儂は寒ければ魔法で暖まるからな」

王子「……師匠……ありがとうございます」

師匠「さて……どのへんから聞きたい?」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
689Res/550.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice