末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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391: ◆54DIlPdu2E[sage saga]
2016/11/13(日) 00:26:17.13 ID:qZtnwQwa0
師匠と王子……

師匠「ほれ、見てみるがいい」

王子「……本当だ、お墓に花が供えてある」

師匠「儂も実際にここに来たのは初めてだが」

師匠「聞いた話では、30年ほど前から、真冬を除いて花が絶えたことはないそうだ」

王子「30年前……」

師匠「小国がとある国に併合されて200周年の年、ちょっとした催し物があったとかで」

師匠「それがきっかけらしいな」

王子「……人々の生活に余裕ができ始めた時代に(小国の存在を)思い出してもらえた、そんな所でしょうね」

師匠「ははは、お前にしてはいい考察ではないか」

師匠「さて……どうする? 魔法でさりげなく人払いをしてやろうか? ん?」

王子「へ?」

師匠「半径50メートル以内に足を踏み入れた人間がふと他の場所に行きたくなるような、緩く且つ強固な結界をだな」

王子「い、いりませんよそんな、大きな声で師匠と話をしたいわけでもないし」

王子「……世間からただの観光客に見えるくらい、自然にこの場にいたいのです」

師匠「ふむ」
 


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