末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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322: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/08/22(月) 00:52:18.70 ID:vyqKvtyE0
商人の家、応接間。

家政婦「お客様が席に着かれたら、すぐに紅茶とお菓子をお持ちしますね?」

末妹「ありがとう、家政婦さん」

家政婦「それでは、また後ほど……」パタン

次兄「10時ごろ来るって言ってたのに……8分過ぎたよ、無事に辿り着けるかなあ」

末妹「師匠様お気に入りのカフェまでは二人で来るって、だからそんなに長い距離じゃないし……大丈夫よ」

次兄「距離が短くても、途中で何かトラブルがあれば」

末妹「そんな物騒な場所じゃないわ、しかも昼間から」

次兄「いやいや菫花さんのこと、顔の怖い人と目が合っただけで容易に挫折、いや気絶しかねない」

末妹「お兄ちゃんたら、いくらなんでも……」

末妹「……さすがにそこまでは……ねぇ……うん……うーん……」ミケンニシワ

次兄「ほぉら、不安になってきたでしょ?」

末妹「で、でも菫花さん自分であれだけ『大丈夫』と力説していたし、頑張る時は頑張る人だもの、私、信じる!!」

(仮想の窓で見ている野獣「…………」)

(野獣「師匠と菫花が完全に南の港町を発つまではこうして様子も窺えるが」)

(野獣「カフェから商人の家まで1.5km……14の女の子にその距離の一人歩きを心配されるハタチの男…………」)

(野獣「…………『自分』を客観的に見るのは、なかなか辛いものがある……」ハァ)
 


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