末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2016/06/26(日) 20:46:43.51 ID:MoorvJR70
毛布「滞在はこの町の宿ですが、以前に師匠が泊まった時にお世話になったとかで」
毛布「ご主人と従業員の方に、手土産を渡したいと、それでおつかいを」
次姉「……先方様について、もう少し詳しく教えていただけますか?」
毛布「あ」
毛布「えーと、確か……北通りに位置する宿で……」
毛布「ご主人は40代半ばの男性、従業員さんは20歳前後の若い女性ひとり、と聞いています」
毛布「あ、あと預かった予算の金額は……」
次姉「……承知いたしました」スッ
次姉「ちょっと手伝って、姉さん」
長姉「私? いいけど」スッ
次姉「末妹と次兄はお客様のそばにいてね」
末妹「は……はい」
次姉「心当たりのある宿屋はあるわ、うちから年一回、宿泊者用の石鹸をまとめて届けている小さな宿よ」
長姉「ん? うちから消耗品を定期的に仕入れている宿は二軒、どっちもそこそこ大きな所じゃなかった?」
次姉「お得意様名簿に載ってはいるけど、正式契約してはしていないの」
次姉「ぶっちゃけた話、消耗品全てをうちから仕入れられるほど儲かっている宿じゃないもの」ヒソヒソ
次姉「それでもご主人のこだわりなのか、せめて石鹸だけでも良い品を使いたいらしく」
次姉「同じ品では微々たる差とは言えうちが一番安く、それ以上に粗悪品が混ざらないって信用もあるから……でしょうね」
次姉「ま、とにかく、予算内でとなると」サッサカ
次姉「姉さんはこっち持ってて」ホイ
長姉「う、うん」
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