末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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228: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/06/19(日) 01:04:39.96 ID:HClA/mqo0
王子「……」

王子「なんというか、女性が230年前に比べたら積極的と言うか」

王子「尤も、昔の僕の立場とか、あの時代の小国の庶民はみんな困窮していたのもあるし」

王子「とりあえず今の自分の気持ちだけで言うと」

王子「率直に、怖い」

王子「…………慣れれば平気になるのかなあ」フゥ

王子「しかし今の僕には優先すべき目的がある」

王子「こんどはあっちの若い男性に尋ねてみよう」トトト

王子「……あの、すみません、(こんな格好ですが)怪しい物ではありません」

幼馴染男「え、僕ですか?」

王子(よかった、警戒している様子はない)

王子「えーと、実は……商人さんのお店に行きたいのですが……」

幼馴染男「ああ、それでしたら……この道をこう行って、緑の屋根の三階建の家の角を左に曲がって……」

王子(わかりやすくて丁寧だ、ありがたいなあ)

幼馴染男「……本来ならご一緒して道案内差し上げたい所ですが」

幼馴染男「これから仕事の関係で、港まで人を出迎える用事があるので、申し訳ありません」

王子「いいえ、非常にわかりやすく教えていただき、これなら辿り着けそうです」

王子「お忙しいところ引きとめて申し訳ありませんでした、ありがとうございます」

幼馴染男「お役に立てたなら光栄ですよ、では」ニコ

王子「……いい青年だな、僕と同い歳くらいに見えたけど……」

王子「さて、方向はこっちだったな。緑の屋根緑の屋根……」

……


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