末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2016/06/09(木) 23:07:20.96 ID:boZV8Xhq0
(師匠「本来はお前に尽くすことが、今はお前の意思に従って、菫花や儂のため目に見える仕事をすることが」)
(師匠「あの者たちの存在意義だからな」)
(野獣「本当に……師匠には感謝しています、私の使用人達を受け入れ、仕事を与え、守ってくださる」)
(師匠「儂が動物嫌いじゃなくてよかったな?」)
(野獣「全くです」)
(師匠「……お前達に、この屋敷に関与することができず、鏡で見守るしかできなかった頃」)
(師匠「獣の使用人達も、あの兄妹も、実に健気にお前の事を想い続け再会の日を楽しみにしていた」)
(師匠「……彼ら彼女らの存在を知らずにいたままならば、お前や菫花との儂の関わり方も、もしかしたら違ったかもしれん」)
(野獣「師匠」)
(師匠「もしもの話を始めたら果てしが無いわな。重要なのは未来と……現在だ」)
(師匠「さしあたって儂は現在、腹が減ったので目覚める」)
(師匠「で……今日は金曜日だな、末妹や次兄に伝言があれば承るぞ?」)
(野獣「二人も家族も息災ならば言う事はありませんが」)
(野獣「……師匠と菫花の旅の無事を二人にも祈っていてほしいと、それくらいでしょうか」)
(師匠「わはは、わかった、伝えておこう」)
(師匠「では、また今夜に、な」)
(野獣「は、はい。お疲れ様でした……」)
(野獣「……」)
(野獣「師匠と菫花のこの世界での旅……どんなものになるのか、不安要素がないでもないが」)
(野獣(今回の不安とは主に身内にあるわけで))
(野獣「それでも楽しみの方が大きい……菫花よ、私の分まで世界を見て来ると言ったな」)
(野獣「旅から帰った時、お前の目に映ったものを余すことなく私に教えておくれ……」)
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