末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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138: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/03/23(水) 20:42:36.81 ID:J2U2rzNt0
次兄「……あれ? ねえ末妹、前をよく見てごらん?」

末妹「……!」

末妹「景色がはっきり見えて来た……町外れの、糸杉林の丘よ!!」

馬「ひっひーん」パカッパカッ

末妹「一度馬車を止めるわ、ここなら大丈夫」

次兄「おっし、了解」

末妹「馬さん」グイ

馬「ぶるるる……」ザシッ

次兄「……うん、間違いない」

次兄「地形といい、林の佇まいといい、羊の群れといい、南の港町の郊外だ」

羊たち「めへえええ」「むえええええ」「んめえええ」

末妹「……帰って来たのね……」ホッ

次兄「いやいや、一般的には見知った道こそが、気の緩みから来る事故多発危険地帯ですぞ」キリッ

末妹「そうね……街の中を通ることになるし」

末妹「この時間帯で人の少なそうな道を通りましょう? 少し遠回りだけど楽に通れる分、早く着けると思うの」

次兄「任せるよ、俺よりお前の方がその手の判断は正確だ」

末妹「馬さん、こっちへお願い」ピシ

馬「ひん」

カッポカッポ……

……

商人の家。

長兄「……で、来年の春はこれとこれを季節商品の目玉に」

商人「……予感がする」

長兄「父さ」

商人「あと5分もしないうちに、あの子達の馬車が我が家の門を通る!」

長兄「それ何回目だよ、さっきから15分おきのペースで」



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