末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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13: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/11/06(金) 22:46:06.91 ID:wellT1Sb0
野獣の屋敷、次兄の客間…

末妹「お兄ちゃん、荷物はまとまった?」

次兄「うん、元々たいした物は持ってこなかったから。お前は?」

末妹「ドレスとオルゴールの分、ちょっと荷物が増えたけど、大丈夫」

次兄「荷物が増えると言えば、例の鏡も忘れずに持ち帰らないとね」

末妹「そうね、馬車には割れないように積まなきゃ」

次兄「今夜にでも用意してくれるって、菫花さん言ってたけど……」

メイド「末妹様、こちらにいらしたんですね」ピョッコリ

末妹「メイドちゃん、何かご用?」

メイド「あのですね……末妹様のお家の家政婦様に、これを渡してくださいませんか……」スッ

末妹「封筒? お手紙かしら」

メイド「ええ。でも私、字が書けないので菫花様に代筆していただきました」

メイド「バスケットの事とか…お世話になったお礼です、短いお手紙なのですぐ読み終わると思いますが」

メイド「あと、私が見つけた四つ葉のクローバーを押し葉にしたものを同封しています」

末妹「幸運のお守りね」

メイド「……葉っぱが大きくて形が良くて、それはそれは美味しそうなクローバーでしたが……そこをグッと堪えて……」

次兄「メ、メイドさんが食欲を自制しただと!?」

末妹「メイドちゃんの『本気』が伝わってくる(ような気がする)……」

末妹「よくわかったわ、その真心、間違いなく家政婦さんに伝えるから!!」メイドノマエアシニギニギ

メイド「お願いします、ありがとうございます!」

メイド「……家政婦様が親切なかたで、本当によかった」

メイド「いきなり現れて、おまけに喋るウサギが普通でないことは私にもわかります、それなのに」

末妹「メイドちゃん……」

メイド「きっと、末妹様達を心から信頼されているから、私のこともすぐに受け入れてくれたのだと思いますよ」

次兄(それだけじゃないな、俺の勘では彼女、クールビューティーに見えて意外と可愛いもの好き)

末妹「そうよね……」

末妹「……不思議な体験に理解を示してもらえるって、本当にありがたいことだと今になって思うわ」

末妹「帰ったら、私からも改めてお礼を言おう……」

……


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