「『須賀京太郎』とは、あなたのそうぞう上の存在に過ぎないのではないでしょうか」
1- 20
559:名無しNIPPER[saga]
2016/06/26(日) 03:00:34.49 ID:6tQxwIWDo


「ちょっとね、ええと、誰か居る気がして、京くんが帰ってる気がして」


ぽろぽろと、涙が落ちる。



「ああ、ごめんなさいね、ええと、京くんって呼んだらまた怒られちゃうかしら、私、京太郎が帰ってる気がして」



椅子から立ち上がって、京香さんの手を取る。

龍太郎さんは、固まったように動かない。

握られた手だけが、震えているのが見えた。

京香さんの手は震えていない。

ただただ、冷たい。



「咲ちゃん、京太郎がね、」



膝をつく。

崩れ落ちる。

引き摺られるようにして、床に座る。




「京太郎が、どこにも」



嗚咽が、声を濁す。



「どこにも、居なくて」




「私、謝らないと、忘れちゃって、だから、いなくなった、のかなって」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
762Res/260.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice