【安価・コンマ】ネオサイタマでニンジャライフ サイゴン!その19【忍殺】
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152: ◆WolEwA02oI[saga]
2016/03/17(木) 09:43:43.48 ID:V5ndZv+L0
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(今日は何をするのも億劫だな・・・)

チガサキは精神的に消耗していた。チガサキは武人である。イクサの場においてコンマ1秒を争う判断には慣れているが、交渉の場で陰謀姦計を張り巡らせることにはあまり慣れていない。

ましてやイクサ関係ではなく、純粋にビジネスの話だ。培った経験はイクサ関係ばかり。完全にアウェーだったのだ。

(好きなように動いて羽でも伸ばすか・・・)

チガサキは完全にオフモードで着替え、部屋を出る。何をする当ても無い。自由気ままに貪婪の都市ネオサイタマを彷徨うことに決めた。

その直後である。

「あ・・・」

「あ・・・・・・」

偶然、偶然にも顔を合わせにくい弟子と鉢合わせになる。しかも服装は私服。彼女もオフモードだ。

「ドーモ」

チガサキは気まずそうに声をかける。

「オハヨウゴザイマス」

トモヨはいつものようにアイサツを交わした。

「私服なんですね」

トモヨはチガサキがオフモードなのを服装で察する。日本語においては相手がはっきりしているといった状況では主語を省略するのだ。

「まぁ・・・ね。昨日は交渉で座りっぱなしだったし。今日は適当にふらつこうかと」

「なるほど。お暇なんですね。じゃぁ・・・」

そういってトモヨはチガサキの腕に腕を絡める。何も知らない人が見れば恋人と見間違うだろう。

「買い物に付き合ってくれませんか?」

チガサキをかすかに見上げ、無垢とも取れる笑みを浮かべる。

チガサキは首を縦に振った。することも無いのだ。付き合ってもいいだろう。



その日チガサキは散々に振り回された。往々にして女性の買い物というのは長い。トモヨも例外ではなかったようだ。

ましてや年頃の少女となれば買いたいものも多い。庶民であれば厳選なる取捨選択を行うが彼女はニンジャである。ミッション報酬などで庶民からすれば多額の現金を持ち合わせているのだ。取捨選択は軽いもので済む。

自然、買ったものは増えていき、1人では持ちきれない量になる。誰が持つのか。

チガサキである。いまやチガサキは身長の1.3倍ほどになる箱の山を抱えてフラフラと歩いている。下段は洋服類、上段は小物類だ。

極めて武に特化したニンジャであるが故に重さは問題ない。だが紙製の箱というのは持ちにくいものだ。積み重なればバランスも崩れやすい。

如何にアイキドーを修め、タツジン級であろうとこれは厳しい。

だが同時に懐かしさも感じていた。 昔は妹にもこうやって振り回されたなぁ・・・ と。

「すいません。この店で最後にしますので・・・一緒に来てください」

(やっとか)

どうやらこの店で最後のようだ。日もくれていい時間である。流石にバランスを維持し続けるのも厳しい。

チガサキは箱を持ちながら店内へと入っていく。外に箱を置いておくことは出来ない。

値の張るブランド物も多く、ネオサイタマの治安は決してよくないのだ。

「ここに椅子があるので待っていてください」

暫く歩き、店内の置くまで来た頃だと思っていたときに声がかかった。

「分かった」

チガサキはゆっくりと箱を下ろし、顔を見上げる。次の瞬間!

(!!!!!!!!!!!!!!!!????????????? ナンデ?ナンデ!?)

視界に入ったのは一面女性用の下着。所謂ランジェリーショップであった。

チガサキは噴出しそうになるのを堪え、自分が嵌められたことに気がついた。

トモヨはチガサキを一人の男性として恋愛対象として見ており、告白もしている。その回答にチガサキはマッタをかけている状態なのだ。


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