【僕のヒーローアカデミア】緑谷「みんなと」爆豪「仲良くだとよ」【安価とコンマ】
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649:名無しNIPPER
2019/08/12(月) 13:00:33.40 ID:lfcBRfnq0
凌が述べた感想は、恐らくクラスメイトの大半が異口同音に述べる程度のものだ(原口教諭の名前で声を詰まらせたのは、教室で見た凄惨な光景を思い出したからかもしれない、前方に座っていた凌は恐らく見てしまっただろうから)。
藍子も凌と同じく栞の転落事故のことは教室にいた時に聞いた。
その話を聞いた瞬間、大樹が椅子を倒す勢いで立ち上がり、教室を飛び出して行った場面は見ているし、その後大樹が車にはねられて救急車で搬送されたという一報が入り、教室内は騒然とした。
授業どころではなくなり、6時間目の授業時間が終了する前に解散となった。
藍子も、他の人に聞かれれば同じように答えるだろう。

しかし、凌は、少し眉間に皺を寄せ、「んー…」と小さく唸った。

「塩屋くん…?」

栞が名前を呼ぶと、何やら釈然としない表情で頭を掻いた。

「何だっけ…
 そういや、何か…何か引っかかったことがあったような気がする…」

藍子は栞と顔を見合わせた。

「何それ、それって栞のことに何か関係あること!?」

「いや…関係はなかったような…」

なんだ、関係ないの!? 紛らわしいな!、そう言おうとしたけれど、藍子は言葉を飲み込んだ。
栞の事故が故意に引き起こされたのであれば、それは一見栞のこととは無関係に見えていたとしても全くおかしくない。
関係ないと思えることが、真相に繋がる――推理小説ではありがちな展開だ。

「んー、まあ思い出したらまた言うよ」

「…うん、よろしく」

日常生活であればそれは然程困難な話ではないのだが、今はプログラム中。
一度別れれば再び会える保証はないし、命もいつまで続くかわからない。
『思い出したら言う』ということがどれ程困難なことなのだろう。
けれども、藍子はそのことには触れずに当たり障りない受け答えをした。
それ以外の言葉を見つけられなかったので。


「じゃあ、またな!」、凌はそう言って去って行った。

その小さな背中を見送ると、藍子たちも再び移動を開始した。
様々な心配事はあるのだが、まずは、英也との合流を目指すために。


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