魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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60: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2015/09/26(土) 03:15:11.18 ID:pVQvFyFt0

魔王「なるほど、魔の世界に溶け込めぬ者共が隠れ住むには、うってつけというわけだな?」

近衛「はい。今後、どのような事があるかわかりませぬ故、是非一度ご視察を…」

魔王「成程、記憶には留めおこう。だが見に行く程に興味は無い」

近衛「ご興味、ですか」

魔王「くくく、いっそ色町のほうが余程面白そうではないか。それに…」

近衛「……?」


魔王「それに、そこはつまり 魔国におけるスラムのような場所。魔素を正とし、浄気を誤とするこの魔国において、そこほど穢れた場所はあるまい」

近衛「その通りでございます。ですが――」

魔王「俺が何故、そんな場所へ出向かねばならぬ」


魔王にとって、それは断るに充分すぎる理由であった。
高貴であることも魔王として必要な資質。穢れに触れるなど、もってのほか。




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