利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 二隻目
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296:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A[saga]
2016/02/28(日) 20:31:43.87 ID:7Iq+mEEgo
利根「……居らぬのう」

提督「居ないな。噂は噂にしか過ぎんという事だろうか」

利根「もしくは、今日たまたま会わなかっただけかもしれぬ」

提督「その可能性も高い──が、今日はもう遅い。お前はそろそろ寝ておけ」

利根「無論、提督も寝るのじゃよな?」

提督「私の性格を知っているだろう」

利根「知っておるから念押ししておるんじゃろうが。我輩の体調を気遣うお主が、自分の体調を気遣わないとは説得力が無くなるぞ」

提督「……仕方が無いな。今日は切り上げだ。次の夜にまた探すとしよう」

利根「それがベストじゃろうな。……ところで提督よ」

提督「どうした」

利根「此度の幽霊騒動じゃが、金剛を表に出す事に影響は出ぬか?」

提督「丁度、私もその事について考えていた所だ。そろそろ金剛もこの鎮守府の一員として迎えようと思っていたが、少し難しくなった」

利根「やはりか」

提督「金剛の幽霊を見たのは利根が聞いた者だけとは限らん。その上、幽霊を見た者からすると、ここで金剛を迎え入れる事となれば不気味に思うだろう」

利根「そうなるのう。……という事は、見送りか」

提督「残念ながらな……。ほとぼりが冷めるまで、また金剛には我慢してもらうしかない」

利根「仕方が無いのう……」

提督「……もしかしたら、金剛の幽霊が現れたのには意味があるかもな」

利根「なんのじゃ?」

提督「さて。それは私にも分からない。そもそも、本当に意味があるのかすらも分からん」

利根「全ては予想でしかない、という事じゃな」

提督「そういう事だ」

利根「金剛の幽霊が現れた意味……か。何かありそうな気がするのう……」

提督「どんな意味があると、お前は考える?」

利根「漠然とありそうと思っただけじゃな」

提督「そうか」

利根「……しかし、残念じゃ」

提督「ああ……残念だ。あそこに押し込んでおくのは、金剛にとってもあまり良くない」

利根「深夜くらいは外出許可を出してみてはどうじゃ」

提督「一考しておこう」

提督(……金剛の幽霊が現れた意味、か。……私に愚痴の一つでも言いに来たのだろうか。それとも、ただ単に会いに来たくなっただけ……というのは夢を見過ぎか……)

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