利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 二隻目
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163:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A[saga]
2015/12/22(火) 14:54:09.99 ID:G0gfHGYMo
提督「……いや、少し思い出してしまっただけだ」スッ

金剛「……辛いデスか?」

提督「それなりにはな……。だが、いずれこの痛みも和らぐだろう。新しい思い出と記憶によって痛みは悲しみだけとなり、やがて寂しい気持ちへとなってくれる」

金剛「前へ進んでいるならば、変わりマスからね」

提督「ああ。前へ進んでいる証拠だ」

金剛「どうか、忘れないであげて下サイね?」

提督「勿論だ。──話は変わるが、明日は金剛を正式にこの鎮守府の艦娘とする予定だ。その上の話だが、初めは多少の手を抜くという事を頼む」

金剛「着たばかりなのに強いのはストレンジだからデスか?」

提督「そういう事だ。いくら戦艦だからとは言っても、私達が向かう海域は錬度が足りない艦娘によるゴリ押しは出来ないような所だからな」

金剛「了解デース。フォローできるようなミスを少しするように心掛けマス」

提督「それと……初めはあまり良い空気が流れないと思う。その事は覚えておいてくれ」

金剛「……覚悟はしていマス」

提督「どうしても辛かったら言うんだぞ?」

金剛「イエス。その時はテートクを頼りにするデス」ニコ

提督「では、もう一日だけ我慢していてくれ。後で瑞鶴と響が来るはずだから、少しは寂しくなくなるだろう」スッ

金剛「あ、待って下サイ」ヒョイ

提督「うん?」

金剛「今回はクッキーを焼いてみまシタ。ティータイムの時にお茶菓子として皆と食べて下サイ」スッ

提督「……悪いな。ありがとう」スッ

金剛「今の私はこのくらいしか出来まセン。少しでも皆さんの、そしてテートクのお役に立ちたいデス」

提督「充分だよ」ポンポン

金剛「他にも何か出来る事があったら言って下サイね?」

提督「ああ。──では、私は戻る」

金剛「行ってらっしゃいませ」

ガチャ──パタン

金剛「……明日、デスか。大丈夫……きっと、大丈夫デスよね」

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