422: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/12/30(水) 01:56:37.23 ID:+mjVyJCo0
賢者「…長くかかり申し訳ございません。
中央王国王立魔法技術研究所においての戦闘についてからご報告致します」
魔法王「……………良かろう。
申すが良い」
王の姿は、大きな天蓋に遮られ、目にする事はできない。
魔法を使えば目にしようと思えばできるが、罰せられる、といった方が正しい。
まぁ、彼女は王の姿など何度も城内の館で見ているのだが、
謁見の間の作法とはこういうものなのだろう。
賢者「我々執行部隊は指令の通り、盗賊という男の身柄を確保しようとしましたが、
念信が傍受されたため、男の向かった魔研において行動に移そうとしました。
しかしそこで、荒れ野に居るはずの勇者と、そしてその手勢の者と戦闘になったのです。
勇者とその手勢は異変を察知し魔研へと向かう中央王国軍近衛師団第一中隊をも襲い、
これを殲滅。
魔研襲撃は全て執行部の責となりました」
謁見の間がざわつく。
当然だろう。
我が国は、罠にかかり宣戦布告を"させられた"のだから。
近衛「貴様、それでおめおめと逃げ帰ってきたのか!!」
賢者「情報が完全に漏れていたのです。
…部隊に内通者が居た可能性は否定でき兼ねますが、
現に部隊は勇者の手により全滅しています。
内通者が居るのなら、生き延びているものと」
近衛「…そんな馬鹿な…!!」
魔法王「良い。
…続きを申せ」
賢者「念信に留めず国に戻った事には理由があります。
最早開戦は避けられない。
しばしの行動の自由を頂きたいのです。
ひと月の間に、状況の打開を約束致します。
ですから、どうか―――」
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