魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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177: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 01:09:25.45 ID:woiMU4L00



兵長「58連隊所属中尉、兵長と申します。
   勇者中将にお目通りを」

兵士「確認致します。
   少しお待ちください」


母が倒れたと聞いたのは1週前。
結局軽い過労という事で大事には至らなかったが、
数年振りに会う母は随分と小さく見えた。

亡き妻にこだわり辺境の町に住み続けた。
それを後悔した日はないが、
この時ばかりは後悔しなかった自分を責めた。
良い機会だと思い王都に戻る決心をしたが、
町に残す事になる、息子同然の男にひと目会いたかった事も事実だ。

偶然とはいえ、それが叶ってよかった。


兵長「…はは。
   あいつも、随分と強くなった。
   いつまでも小僧だと思っていれば…」


戦士には剣に関して、天賦の煌めきを感じた。
いずれ大陸一の剣士になってくれればと思っていたのに、
ある時突然、大仰な斧槍を持ち出し、
自分の得物はこれにする、と言い出した。

あいつが腕を磨くのは魔物を狩るためだ。
魔物の体格に合わせた武器を選ぶのも自然な事だろう。
しかし戦士の天賦の才は、本来一騎打ちには向かぬ斧槍を用いても、
立ち合いで敗北を知る事はなかった。
師として鼻が高いが、
同時に寂しくもある。
もはや自分が相手では戦士にとって鍛錬にすらならないのだから。

今夜がいい酒になればいい。
あいつも辛い思いをしてきただろう。
剣の師は失格でも、
人生の導き手くらいにはなれるといい。






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