【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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529: ◆6QfWz14LJM[saga]
2018/01/14(日) 22:36:33.10 ID:lzinQoP/O

ナナの抱える悩みは、シエルが打ち明けてくれたそれと似ていた。

けれども、彼女の戸惑いの多くは、制御しきれない自身の感情に割かれている。
アラガミのみにぶつけていた激情を、人に向ける経験もなければ、それを得る必要もなかったのだ。
初対面の頃より開放的になったといっても、無意識に抑え込んでしまっていた部分はあったかもしれない。

「頭では割り切らなきゃって……でも、みんなみたいにはなれないよ……!」

それも、限界だった。
嫌悪とも怒りとも取れる苦悶をその貌に象る彼女は、未発達な感情に振り回されている。

「……誰も、ジュリウスの事なんて気にしてないって?」

刺激しないように、ゆったりとした足取りでナナの真横に腰を下ろした。
一人の体重を新たに受けて変形したマットが、俯いた彼女の頭を揺らす。

「ナナは、本気でそう思ってるの?」

今度は意識的に、首が横に振られた。
私としても、彼女がそう考えているとは思わない。
ただ、今の段階で意思疎通が図れるか、確かめておきたかった。

「…シエルがね、ナナと同じような事言ってた」
「今の二人を見てたら、これまで自分が見てきたものにも自信が持てなくなったって」

何も言わず、鼻を啜ったナナが涙の痕を覗かせる。

「落ち着いてるように見えたかもしれないけど、ナナだけの悩みじゃないよ」
「だから――」



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