520: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/08/22(火) 00:34:14.97 ID:wa85cL3gO
まだ、腰を落ち着けるには早い。
引っ掻き回された身体と意識を引き戻し、周囲に気取られないよう、歩を進めていく。
雪崩れ込む一瞬に呑まれなければ、思考もままならなくなるということはほぼない。
徐々に思案を広げて、頭に巣食った悪感情を追いやっていく。
結局、ナナがどこにいるのかわからず仕舞いだった。
しかしながら、彼女が調子を崩している理由をある程度察することはできる。
突けるとすれば、そこからだ。
キーワードを紐付けて、今一度回顧する。
聞き込みで多少は絞り込めたものから、取り留めのない話まで、並び立てて順繰りに――
"ここで誰にも見つからない場所って、それこそ自分の部屋ぐらいじゃない?"
――一周しかかったところで、網にかかるものがあった。
つくづく私は、自慢の後輩に助けられている。
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