511: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/06/15(木) 00:26:22.78 ID:VHdU/oubO
こうして尾を引くような悪手を取ったのは、今回が初めてではなかった。
前提として、人前で血を吐いても怪しまれない状況なんてそうそう無い、というのもある。
だからと言って、掴まれるまで尻尾を振り続けているわけにもいかない。
この板挟みもまた、私を徐々に消耗させる一因になっていた。
「……それで、さっきの話なんだけど」
「……ああ、ナナさんだっけ」
ただ、私も終始猿芝居に興じていたわけではない。
エリナの本格的な詰問が始まる直前、私が彼女にそれとなく尋ねたのは、ここ最近のナナの動向についてだ。
それを早々に受け流された経緯もあるので、エリナに覚えられているかどうか、少し不安だったけど。
「私も任務以外はあんまり見かけてない。最近はラウンジにも顔出さなくなっちゃったしね」
暴走した"神機兵"が観測されるようになってから、私達がそれぞれの部隊で活動する機会は一気に減った。
"神機兵"だけならまだしも、それに呼応するかのように、極東地域のアラガミが積極性を増しているからだ。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20