504: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/21(日) 23:33:53.97 ID:EIMMUKx9O
隙を見逃さず、敵が前方に体重を乗せる。
自然と、眉間に皺が寄った。
こちらとしても、とうに我慢は難しくなっている。
だけど。
だけれど、これは、どうしたって。
「ぐぶ……ぅっ」
痛い。
飛び出た相手の爪先が、腹部に突き刺さる。
身体を一気に浮かせるほどの外圧に、私はあっさりと限界まで追い込まれた。
「うぐ、ぶぇっ……!」
たまらず振った神機が、空を切る。
爪先から離れ、少しの滞空時間を彷徨った私は、血を撒きながら地表に叩きつけられた。
『先輩!?このっ――』
一部始終を見たエリナの憤りが、不自然に止まる。
追撃のために一歩踏み出したはずの標的が、そこからぴたりと動かなくなった、その違和感からだろう。
背後に増えた痛みに呻きながら、薄目を開ける。
ちょうど、目の前の"神機兵"の身体と、首から上のズレが目に見えて大きくなってきたところだった。
どうせ打たれるならと、その直後に放った"ブラッドアーツ"のカウンターが上手く当たってくれたらしい。
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