394: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/07/04(月) 00:52:14.40 ID:aKA3ejTTo
「――ずばり、フライアにおいて、患者の治療は行われていない……としか、思えない」
レア博士の言葉を待つ期間と並行して、"アナグラ"にはサツキさんも帰ってきていた。
"アナグラ"内の指定の場所に呼び出された私は、そこで彼女の取材結果を聞く。
「それは何故か?まず、医薬品の納入記録ね。病院開設から、頭痛薬ひとつ納入されてない」
「それから、医師および看護士の雇用状況だけど……なんと、全員が本部または支部に転属――」
……私も、全く気づいていなかったわけじゃない。
何も知らない学生だったからこそ、不自然な部分はすぐ目についた。
降って湧いたような異能に首を傾げた、あの一瞬。
だけど、何も言わなかった。
保身のため、現実逃避のための過失。
あるいは、"そういうもの"だという割り切りが意識の根底にあったのか。
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