265: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/19(金) 02:57:14.70 ID:FLcWsv7Mo
未だ、鼓動は高鳴っている。
だけど、その心境は不思議なほど、落ち着いていた。
ずっと探し求めて、徐々に見えてきた、私の輪郭。
この力は、歪んだ価値観を助長させるためのものではなく。
誰かのためにそれを振るう、義務にも似た、使命だけのものでもなく。
槍型神機の、その刀身が中心を残し、左右に展開する。
そこから生成されたオラクル気流が渦巻くも、私はあくまで足を止めていた。
私が真に望むのは、彼らと共にある事。
守るだとか、距離を置くだとか、もう一線は引かない。
憧れて、信じられた彼らと同じ目線で、肩を並べて戦いたい。
それが過去で澱んだ奥底の、より深くで燻っていた心。
……やっと、見つけられた。
鼓動は熱となり、身体中を駆け巡った。
その熱は神機にも伝わり、強力な振動を引き起こす。
"感応種"の質量攻撃は、すぐそこまで迫ってきていた。
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