218: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/15(金) 02:25:26.05 ID:8XG5BsF8o
◇
――目を覚ませば、そこはアナグラの病室だった。
周囲はカーテンに仕切られていて確認できないけど、以前にも見覚えがある。
起き上がり、着せ替えられた患者衣を肌蹴させてみれば、先の戦いでの傷や痣は痕すら残っていなかった。
負傷の度合いにもよるけど、自然治癒力が飛躍的に高まった神機使いの肉体でも、
ここまで回復するにはそれなりの時間を要するはずだ。
私は一体、どのくらい眠っていたんだろうか。
「失礼します……あ、お目覚めになられたんですね!よかったぁ……」
正面のカーテンが開けられ、現われた女性が安堵の声を上げる。
桐谷ヤエ。
普段は"黒蛛病"患者の看護にあたっている学生で、彼女とは何度か面識があった。
そのヤエによると、私は丸3日間も眠り続けてしまっていたらしい。
「――それと、榊博士から伝言です」
「"寝起きで悪いけど、至急、支部長室まで来るように"……と」
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