12: ◆6QfWz14LJM
2015/08/13(木) 22:46:31.03 ID:L7zAG9e10
もう一人はロミオ・レオーニ。私達の1年前に入隊した先輩で、
ナナと2人で訓練の感想を話し合っているところに、彼がばったりと出くわしたのが初対面となった。
彼も砕けた性格で、調子づくことも多いけど、時には先輩として、神機パーツ毎のの基本戦略を教えてくれる。
外見はニット帽とダボついたボトムスがまず目に付き、帽子や短い丈のジャケットにはバッジなどの小物が散りばめられている。
やっぱりというか何というか、ナナとは気が合うらしく、初対面の時からあっさり打ち解けていた。
◇
飛んだり跳ねたりすることに慣れ始めた頃には、"ブラッド"隊長のジュリウス・ヴィスコンティ……
ラケル博士の護衛を務めていた、あの青年の計らいによって、実地訓練も行われるようになった。
初めて対峙するアラガミの姿。それを切り裂き、貫いた時の感触。
どちらも気味の悪いものだったけど、この時はまだ、あくまで訓練の延長線上か、仕事の対象としてしか見ていなかった。
交戦していたオウガテイル種のアラガミが更に増援として現われた際、
ジュリウスが"ブラッド"の証である"血の力"、"ブラッドアーツ"を披露する形で、初めての実地訓練は終了となった。
戦闘の緊張から解放され、空を見上げる。
何にも遮られない、どこまでも広がる青空。亡都を覆う雑草の群れはイメージと違ったけど、この空の光景だけは記憶通りだ。
感動とある種の達成感に笑みすらこぼしていると、一緒に訓練に来たナナが不思議そうにこちらの様子を眺めていた。
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