1: ◆6QfWz14LJM
2015/08/13(木) 22:09:45.84 ID:L7zAG9e10
隊長の今までとこれからの話
・GE2編からRB編の間のお話
・女隊長(主人公)による地の文っぽいもの主体のGE2編回想が主体なので注意
・隊長周りはオリ設定多し。俺のsettei*.txtが火を噴くぜ!
・隊長の性格と口調は一応女ボイス9(あがり症気味の優等生キャラ)イメージ
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[sage]
2015/08/13(木) 22:10:10.99 ID:Cr+1v+qMO
期待
3: ◆6QfWz14LJM
2015/08/13(木) 22:14:46.10 ID:L7zAG9e10
1
2074年×月某日。
フェンリル極致化技術開発局、通称フライアによる極致化計画の第一人者、ラケル・クラウディウスの暴走によって引き起こされた、地球のエコシステム……
4: ◆6QfWz14LJM
2015/08/13(木) 22:17:35.94 ID:L7zAG9e10
2
――この右腕に何もなかった頃、私はただの学生だった。
もちろん、"ただの"と言っても、フェンリル本部の内部居住区に設立された学校の高等部に通っている時点で、単なる民間人とは言えない。
5: ◆6QfWz14LJM
2015/08/13(木) 22:20:39.02 ID:L7zAG9e10
そんな父を持った手前、私は神機使いになることを許されなかったばかりか、彼の思い描いたシナリオ通りの道程を歩むことも義務付けられた。
初等部からフェンリル本部所属まで、エスカレーター式に段階を踏むことのできるエリート校に在籍させられたのも、その一環だ。
私は特にそれらに反抗することもなく、17歳になるまで育ったけど、疑問がなかったわけでもない。
父が人を在りのままの姿で生かすことのできる医療関係に力を入れても、慰問の付添で訪れた外部居住区の様子を見れば、それだけでは情勢に対応できないことがすぐに分かったし、
アラガミと本質を同じくする神機使いを最終手段とした軍事力に、取り付く島は元よりない。
6: ◆6QfWz14LJM
2015/08/13(木) 22:23:12.15 ID:L7zAG9e10
――こんな父でも根は聡明なのだから、少なくとも彼の敷いたレールに乗っておけば、痛い目に遭うことはない。
……とすんなり割り切れるほどできた性格でもなかったけど、口論を繰り返して家を飛び出せるだけの胆力も私にはなかった。
外の景色はずっと見ていない。アラガミの侵攻が今ほど激しくなく、まだ本部のアーコロジーが形成される以前、砂漠化とは無縁そうな草原と、
壁に遮られない青空のどこまでも広がっていく光景が、幼少の頃の思い出として、記憶の片隅にこびりついている。
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