榛名「榛名恋愛相談所」 漣「3件目ですよご主人様!」
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114: ◆ATK1PCranA[saga]
2015/12/13(日) 22:20:31.37 ID:bi68uWzv0
提督「さってと。これで一通りクリスマスについては教え終わったかな。どうだ、楽しそうだろ。クリスマス」

大鳳「ええ。ツリーもケーキもプレゼントもとっても楽しみ。それに、街のみんなが楽しそうなのが嬉しい。こんな光景が見れる日が来るなんて、あの時の『大鳳』は思ってもみなかったもの」

そう語る少女の目はどこか遠くを見ている。その視線に込められているのは悲しみか、寂しさか、それとも――――

提督「――――悔やんでるのか?『前の』自分が、この光景を作れなかったから」

大鳳「っ……そうね。少しも思うところがないって言えば、嘘になる」

大鳳「全力で頑張って、死力を尽くして戦って。それでもたぶん駄目だったんだろうと思う。私が生まれたときには、あの戦争は既にほとんど終わっていたようなものだもの」

大鳳「それでも、時々思ってしまうの。あの時、私が最後まで戦えていれば。最初の、マリアナで沈まなければ何かが変わったんじゃないかって」

悔やんでいると。後悔しているんだと。少女は語る。たとえそれが、少女自身にはどうしようもなかったことだとしても。

そんなIFに意味はないと分かっていても『もしかしたら』という想いを捨てられない。

そして、もう一つ。

大鳳「怖いの。今の幸せな光景がいつか崩れるんじゃないかって。私はまた、何も守れないんじゃないかって」

大鳳「こうしていられるのは全部、他の誰かのお陰で。私はまた役に立てていないんじゃないかって。いつか足を引っ張ってすべて壊れてしまうんじゃないかって」

大鳳「今日、提督についてきたのも、私は誰かの役に立ててるんだって。そう思いたかったからなの」

何も出来なかった自分を嘆く少女は、誰かのためになりたいと願う。何かをしたいと望んでいる。

けれど自信が持てない。いつだって本当は何も出来ていないんじゃないかと。何も変われていないんじゃないかと。

恐れ、泣いていた。



大鳳「ねえ提督。私、ちゃんと出来てますか?誰かのためになれてますか?」

――――貴方の役に、立ててますか?



涙を零し、嗚咽を堪えて少女は問う。

自分は、変われているのかと。

そんな悲痛な問いに男は、

提督「……さあ?」

そう軽く答えた。


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