提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
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17: ◆zqJl2dhSHw[sage saga]
2015/05/09(土) 22:17:59.80 ID:NPpYpUnM0
長門「ところで、比叡の奴がな。劇の日にドレスを着ることになったと言っていたぞ」

龍驤「それはええなぁ、比叡は美人やからな。和装も似合うけど、ドレスのが似合っとるよな」

長門「うむ、それには同感だ。いつだったかはさすがに見惚れてしまったな」

龍驤「けどなんでやろ? 劇で比叡の役はないで?」

長門「劇の役はないかもしれないが、当日、比叡は『御召艦』のようだな」

龍驤「はい?」

長門「どうも大元帥がいらっしゃるようだ」

龍驤「え? 何しに?」

長門「何って、劇を見に来るのだろう」

龍驤「こんな辺境の鎮守府まで、艦娘の演技を見にか? ありえんやろそれは」

長門「そうかもしれんが。比叡の準備を見るに決まったのは今日昨日ではなさそうだったぞ」

長門「まぁ、政はとんとわからんものでな。我々は祭を楽しむとしよう」

長門「ところで台本を見せてもらってもかまわないか?」

龍驤「別にええけど、大量に刷ったみたいやし」

長門「ふむ」

流し読みをした後に龍驤を眺め、そして笑った。

長門「なるほど、これは提督の決意表明なのかもしれないな」

長門「大元帥への表明であれば、それは何よりも重いものとなるだろうさ」

龍驤「そりゃそうやろうけど、わざわざ何を宣言するんや」

長門「そうだな、例えば」

長門「提督の伴侶とかどうだ」

龍驤「……笑えんでぇ、それ」

長門「笑う必要などないさ。ただ祝うのみだ」

長門「主人公の父親役に提督自身を据えているのだ。必然、それは意図的なものだろう」

長門「それに古典を演じる時は細部が変わるものだ。演出の解釈次第だからな」

長門「提督の役割は、主人公の父親というよりは、どうしても会いたい人物か?」

龍驤「……」

長門「ずいぶん思いきった催しだな。胸が熱くなる」

龍驤「まぁ、ええけど。演習の件、加賀に伝えてくるよ」

長門「あぁ、よろしく頼む」

小走りの龍驤を見送る。

長門「ふふっ、原典にない台詞の追加。これがすべてを物語っているではないか」

『提督、もう一目会ってから、ウチ壊れたかったよ……』

長門「錻(ブリキ)の星で、海底に沈んだ青猫は最期に一番大切な人間を想った。きっと我々艦娘も同じだろうさ」

長門「ただ……」

長門「提督は我々に轟沈を許すほど甘くはないがな」






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