155: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/06/29(月) 01:03:57.01 ID:nViWSLwi0
そんな授業を、彼女に対して個別で設けるというのである。
個人授業を受けるということは、『他の子供達とは別に教師達の監視下で一人授業を受ける』ということに他ならない。
他の子供達と一緒だから何とか耐えられているというのに、それから引き離された上、
大人数の大人に囲まれた条件下で受けなければならないのである。
正直に言って、そんな環境に放り込まれてしまったら退屈過ぎで死んでしまうだろう。
だから彼女は非常に露骨なまでの嫌悪の表情を浮かべたのだ。
合理性よりも己の感情に流されてしまうあたり、彼女はまだ精神的に幼いと言えるだろう。
ただそのおかげで、一部の教師達の陰謀を阻止することができたのではあるが。
結局その日はフランドールが教師達の説得に応じることは無く、話は一端保留という形で落ち着くことになった。
いくらなんでも話が急過ぎるし、無理矢理従わせることなどできるはずもない。
彼女にも考える時間は必要だろうということで、『その場に於いては』そのように話が決着した。
勿論、教師達に悠長に構えていられるような時間は無い。
何故なら、期限までに『身体検査』の結果を纏めて上層部に報告しなければならないからだ。
その期限が過ぎてしまえば、否が応にもフランドール名は世間に知れ渡ることになる。
それだけは何としても避けなくてはならない。
そしてそれを避けるためにも、フランドールの返答をただ待っているわけにはいかない。
教師達は本人の知らない所で、次の手を打つべく動き始めたのだった。
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