118: ◆A0cfz0tVgA[saga sage]
2015/06/15(月) 00:27:40.99 ID:Bc8AiHO00
土御門はフランドールを担ぎ上げようとその場にしゃがみ込む。
ここからパチュリーの公園までそれほど遠くは無いが、人一人を担いで行けるほど近いというわけではない。
何より、少女を担いで徘徊している姿でも誰かに見られたら、間違いなく誘拐と判断されて『警備員』に通報されるだろう。
スパイである土御門にとって、そのような事態は不都合以外の何物でもないのだ。
そこで彼は何処からか自動車を拝借し、フランドールをそれに乗せて運搬することにした。
普段は海原に任せてはいるが、彼もそれなりに運転技術を心得ている。
無論、運転免許など持っているわけではなく、スパイ稼業を営むために身につけた技術なのだが。
土御門(普段から鍛えているとはいえ、気を失った子供を担ぐのは骨が折れそうだ)
土御門(筋肉が弛緩している分、バランスを取るのが難しいからな)
土御門(車を止めている場所まで少し距離がある……先に車を持ってくるべきか?)
土御門(しかし、その間に目を覚まされる可能性もある、か。 やっぱりもう一人くらい人数が欲しい所だな)
土御門(人員不足とは言え、一人しか派遣しないとは……いや、愚痴を零してもしょうがないか)
心の中でぶつくさと小言を言いつつ、フランドールの体に手をかける。
そして、そのまま持ち上げようとして――――
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